ユース時代までFC東京で過ごし、フロリダ州の私立セント・リオ大学に進学した柳澤優芽選手。1年目から左サイドバックとしてスタメン起用されコーチやチームメートからの信頼も厚く、学業もサッカーと同様に全力で取り組んでいる柳澤選手に3年目のシーズン直前インタビュー!
【プロフィール】
やなぎさわゆうが。フロリダ州の私立セント・リオ大学所属、3年生。大学の専攻はビジネスマネジメント。FC東京のジュニアユース、ユースを経てセントリオ大学に進学。入学時からチーム首脳陣に期待され、1年目のシーズンから左サイドバックとして先発出場を続けている。今シーズンもチームの中心選手として活躍が期待される。
まず、去年のシーズン を振り返ってもらえますか?
ーー 結構難しいいシーズンでした。というのも、一昨年の主力メンバーが抜けてしまって、新たに10人以上がリクルートされて入ってきて、スタメンも半分以上変わったということもあって、なかなかうまく最初チームがまとまらないままシーズンに入って、結果も伴わず進んで行ったんですね。
最終的なカンファレンス内の順位はどうでしたか?
ーー 10チーム中6位ぐらいでしたね。カンファレンストーナメントにも進めなかったし、NCAAの全国大会にも行けなかったんです。自分の1年目でカンファレンスで優勝してNCAAに行けたので、やはりちょっと物足りなかったかなっていう。
でも、個人的にはシーズンを通して試合に出ることができたので、チームメートやコーチ陣からの信頼という面では1年目より感じることができたかなっていうのはあります。週に2試合あるのでコンディション管理も工夫するようにしました。毎日のストレッチだとか、体のケアを怠らないようにしつつ、去年からキッチンの付いた寮に入ったので、自炊をして日本食を作ったり、食事面でも工夫しました。栄養のことを勉強したりもして、どうすれば体の回復が早まるかとか取り組んだことは、1年目より進歩したかなと思います。
この春学期はどんなふうに過ごしましたか?
ーー オフシーズンだったので、コンデイションを落とさないように、フィジカルを中心にボールを使うよりもウェイトトレーニングやスピード向上がメインだったので、それで体を大きくもできたりして、足も速くなったりしました。
ウェイトトレーニングというと日本の大学では一学期を使って重点的にやるということは珍しいかもしれませんが、アメリカの大学では春学期はそういうところを集中して強化しますね。具体的にはどんなことをしますか?
ーー 最初の春にはがっつりウェイトトレーニングをやらされて、日本ではそんなにやったことがなかったので、「体が重くなるんじゃないか」とか「スピードも遅くなるんじゃないか」というイメージがあって。思い込みというか。だから最初の春は自分なりにセーブして試しながらという感じだったので、あまり変化が見られなかったんです。
でも、今年の春学期はちょっとウェイトトレーニングのメニューをしっかりこなしてどんな変ががあるかというのを試して、ジャンプ力が上がったりスピードが速くなったりして、自分が思っていたよりも良い効果が得られたので、もっとやってもいいのかなという気持ちになりました。
ただし、日本では年間を通して長いシーズンなので、ウェイトトレーニングをやることが良いことなのかはわからないですけど。アメリカの大学ではサッカーは秋のスポーツなので、春はそういう部分に力を入れてトレーニングできるというのもいいとも思います。
ーー ストレングス・コーチは具体的にどんな指示を与えてくれますか?
全身万遍なくですね。ベンチプレスをしたりスクワットしたり。その後にアジリティをあげるドリルや持久力をあげるメニューや短いスプリントなどもやったり、チューブを使って爆発的な力を強化するトレーニングだったり、すごくバリエーションは豊富です。
月・水・金にウェイトや走りのトレーニングをして、火・木でサッカーのコーチとボールを使うトレーニングをして、土・日はオフということが多いです。春の最後の方は練習試合が入ったりもしますが。
ーー ボールを使う練習をすることもあったんですか?
かなりありましたね。朝や夜、選手たちで集まってミニゲームをしたりポジション別でトレーニングをしたり。NCAAのルールが決まっている(コーチが立ち会うチーム練習は週に20時間と定められている)以上は、どうすればサッカーのトレーニングをもう少し増やせるか選手同士で話し合いました。
ーー チームの選手間でまとまりがあって結束も高いですね。参加する選手は何人ぐらいでしたか?
やる時は怪我人以外は全員参加してました。そういう意味ではみんながまとまって練習できたというか。
今年の夏休みはどのように過ごしましたか?
ーー 本当はアメリカのサマーリーグでプレーしたかったのですが、外国人選手登録の問題などがあって実現できませんでした。だから割り切って日本で普段なかなかできないことをしようと思って、渋谷の洋服屋さんで外国人のお客さん相手に英語で接客をしてみたりとか、日本でしか会えない友達や昔のチームメートに会ったりして彼らの近況を聞いたりして刺激を受けてまた頑張ろうという気持ちになりました。
それと、フロリダのIMGアカデミーのサッカーキャンプが日本で行われていて、そこでコーチ兼通訳という感じで北海道のキャンプに行って、子供達にサッカーを英語で教えるという機会もありました。そういうこともすごく良い経験になったと思います。アメリカで英語を覚えて、それを武器にして日本で使うということもすごく良かったと思います。
あとは体力的な部分を落としたくなかったので、動いたりしつつ、アルバイトや旅をしたり。3ヶ月ぐらい過ごしました。