アメリカの大学で真の文武両道を経験している

良い夏休みになったようですね!ところでアメリカに留学してもう2年半ですね。どうですか?

ーー あっという間ですね。

 

これまでの留学生活で、サッカーや勉強や生活という面でどのように自分が成長したと感じますか??

ーー サッカーも勉強も、自分でやっていかなきゃいけないので、その部分は成長したかもしれないです。あとは、日本に比べてアメリカでは自己主張していかないと人が動いてくれないし変わってくれないというのがありますね。

奨学金のこともそうですし、「自分はこれだけシーズン中に試合に出たので奨学金をあげてほしい」というようなことも自分でやっていかなければいけないし、それによって結果的に奨学金が増えるということにもなったので、自己主張の大切さというのはすごく学びました。

 

そういう変化はどのように生まれましたか?自立心の重要性に気づいたきっかけなどは?

ーー もちろん英語力の向上はありますが、たとえば勉強をサボったら単位が取れなくなるし、成績が悪かったら大学を卒業できなくなるし、そういう厳しい環境に毎日いて自分でやっていかないとならないし、それを毎日積み重ねていくうちに習慣化されていって、少しづつより自立するようになったのかな、と思います。

 

素晴らしいですね!ちなみに高校の時は勉強していましたか?

ーー 高校の時は正直、必要最低限でテスト前に頑張ってなんとか成績を維持するという感じでした。でもアメリカでは日々勝負というか、テストで良い点数を取っても日々の課題を疎かにしていると成績は悪くなるし、毎日勉強しなきゃいけないですし。気づいたら練習して食事して勉強というのが習慣化されていっていました。

 

現在のGPA(全教科の評定平均)はどのくらいですか?

ーー 最高が4なんですけど、今まででの授業で3.5ぐらいです。もう今は全部レギュラークラスだけになって勉強のレベルも上がっているんですけど、その中でも頑張っています。

 

学業の取り組みに関しても大きな成長といえますよ。

ーー そうですね。まあ、どうしてかというと、正直プロの道しか考えていないというわけではないんです。大学入る時からそうだったんですけど、他の道も考えなきゃいけないとなった時に、サッカーだけしかやっていなかったら、サッカーが終わった時に何も無くなっちゃうと思うので、やっぱり他の道も考えつつ、勉強しておけば役立つ時もくると思うので。そういうことも勉強に力を入れる理由です。

(柳澤選手がサッカーの練習や授業以外の時間を過ごしている寮の部屋)

 

それはコーチのアドバイスや先輩たちを見て思ったんですか?それとも自分で気づいたんですか?

ーー チームの選手たちは割と「プロを目指す」というのが強い人もいるんですけど、自分は選択肢が広い方が良いと思うので、ビジネスマネージメントを専攻にしているんですけど、そういう道も考えられると良いかなと思うんです。やっぱりシーズン中はちょっと偏りがちになってしまうんですけど、春にクラスを多くとったりすることで両立できているかなと思います。

 

ビジネスマネジメントの専攻は、具体的にどんなことを学びますか?

ーー 今のところ経済学や会計学など、エッセンシャルビジネススキルに関連したクラスをとってきて、3年と4年でより実践的なクラスになるという感じですね。

 

これまでにとったクラスで面白かったものはありますか?

ーー マクロ経済とミクロ経済は面白かったというかためになったというか、あとはアカウンティングも難しいですけど、お金に強いに越したことないじゃないですか?そういうことも感じたので興味深かったです。その分難しかったですけどね。(笑)

あとはセイント・リオでは栄養関係の授業があって、全員必修なんですけど、そういうのも面白かったです。もう英語関係の授業も全部終わったので、今学期はビジネス法など専攻のクラスばかりです。

 

じゃあ、勉強面でも楽しくやっているという感じですね?

ーー えぇ、まあ、なんとかやっているという感じですが。 学業面では、GPAを3.5以上キープしていきたいというのはあります、2.0以上キープしないとアスリートとして練習や試合にも参加できないし、奨学金の支給も無くなってしまうので。秋は大変ですけど。でもサッカーだけじゃなくて勉強や私生活も全て勝負だと思うので。  

次に、今シーズンのプレシーズントレーニングもぼちぼち始まっていると思うんですが、チームとしての目標や個人的な目標などはどうでしょうか?

ーー チームの目標としては、カンファレンスで優勝して全国大会もより良い結果で終われればベストです。個人的には毎年ですけど、全試合スタメンで出場するというのが一番の目標ですね。そのために怪我をしないというようなことが含まれるので、やっぱり試合に出続けるというのが大事ですね。

今シーズンは学年も年齢もチーム内で上の方なので、よりチームを引っ張っていかなきゃというのは感じているし、去年のメンバーが多く残っているのでチームメートたちのことも知っているし、彼らとうまくコミュニケーションをとりながらチームを引っ張る存在にならなきゃいけないというのは感じています。

 

今年のチームメートに関してはどう考えていますか?

ーー 選手個々の能力は正直、過去2年間に比べると劣るかもしれないけど、チームとしての団結力はあるので、これまでより組織的に戦えるところが特徴だと思っています。色々な国の選手がいるので、それぞれの特徴を活かしながらやっていきたいと。

 

今年の海外選手はどのような感じですか?

ーー 日本人が二人、それとイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ。あとは南米系でいうと、エクアドルなどがいたりとか。ルーツがどこかはわからないんですが、黒人選手もいますよ。半分以上が海外選手なので、面白いですね。

 

セント・リオは昔から海外選手が多いですね。ヨーロッパ、南米、アフリカの選手たちがアメリカで奨学金をもらいながらプレーして、将来のプロを目指すというのも最近のアメリカの大学サッカーの傾向としてありますよね。なかなか日本では味わえない経験ですね。

ーー はい、そうですよね。

 

新しい選手は何人ぐらいですか?

 ーー 今年は5人かな。去年に比べると少ないですけど。新しい選手たちが今いる選手たちにフィットしていけば良いんですけど、去年は新しく入る選手が多すぎてそれまでのスタイルがなくなっちゃったりして。今年はそういうのがないので、良いかなと思っています。