セント・リオ大学 柳澤優芽インタビュー (2018年秋学期)

ユース時代までFC 東京で過ごし、フロリダ州の私立セント・リオ大学に進学した柳澤優芽選手。1年目からスタメン起用され早3シーズンを過ごし、今シーズンが大学サッカー最後となる柳澤選手にサッカー、学業、そして将来のことについて語ってもらいました。

 

【プロフィール】

やなぎさわゆうが。フロリダ州の私立セント・リオ大学所属、4年生。大学の専攻はビジネスマネジメント。FC東京のジュニアユース、ユースを経てセントリオ大学に進学。入学時から左サイドバックとして先発出場を続け、今シーズンもチームの中心選手として活躍が期待される。

 

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まずは、去年を振り返るところから。サッカーに関しては? 

 

(Y) 去年は正直苦しんだというか非常に難しいシーズンでしたね。結果から言うと、カンファレンス(リーグ戦)でも最下位でしたので。まず新しい監督とコーチが来たことで、自分自身も一からのスタートだったというか、アピールしなくてはいけなかったので。

新しいコーチングスタッフがどんなサッカーをしたいのかであったり、自分自身も含めてチーム全体が手探り状態の中でシーズンに入ってしまったので、 最後までまとまり切らずに終わってしまったという印象です。それとこれは毎年起こることですが、その前の年の主力選手が抜けたりとか怪我人が相次いだりしたシーズンでもあったので、その辺りが結果が出なかった要因かなと思います。

1年目で主力としてリーグ優勝を経験していたので、1年目と3年目では天と地の差というか、自分自身もゲームキャプテンを任されたりしていただけに、非常に不甲斐なかったというか。自分のサッカー人生の中でもここまで負け続けたことはなかったので、メンタル的にもタフなシーズンだったと思います。

 

では、サッカーはハッピーじゃなかった?

 

(Y) でも、ポジティブな面もあると思っていて、3年間ずっと大きな怪我なくプレーし続けられたというのは良いことかなと思いますし、あとはアメリカ人だった前監督と今のイギリス人の監督の両方から信頼を勝ち取ってスタメンで使ってもらえているというのは自分の自信にもなっているので、そういう状態で大学最後のシーズンを迎えられているのはポジティブな要素かなと思います。

 

個人的には評価してもらえているから、そこは心配ないんじゃないかな?でも、一番の心配は巻き込まれ事故的な怪我だね。

 

(Y) そうですね。以前も話したかもしれませんが、アメリカの大学でプレーする選手たちは本当身体が大きく、フィジカル面で優れているので。その選手とガチンコでぶつかり合っても勝てない部分がどうしてもあるので。怪我をしないためにも、自分なりに体の当て方や一対一の対応を考えながらやったり、良い意味であまり直接コンタクトしないディフェンスを心掛けたりはしています。

 

 

そうだよね。ガチンコのフィジカルだと、怪我の恐れも出てきてしまうかもしれないよね。

 

(Y) 本当にそうですね。例えばアフリカ系の黒人の選手はやはり筋肉の質が違いますし、どうしたらこんなに筋肉が発達するんだよみたいな。(笑) そのような日本ではまず味わえないような環境、チームメート、対戦相手とアメリカの大学で3年間サッカーをしてきた経験は大きいと思うし、これまで積み重ねてきたことをこれからは、下の学年の選手や、日本人で渡米に興味がある選手たちにも伝えていきたいと思っています。

 

 

素晴らしいね。では、勉強面ではどんな一年だった?

 

(Y) ここまでの3年間でGPA(評定平均)は4段階で3.6をキープしています。成績優秀者に贈られる賞を受賞したりもしていますし、成績に関しては高い基準をキープできていると思います。去年に関して言えば、自分の専攻はビジネスマネージメントなのですが、これまでの一般教養のクラス等の単位を取り終え、授業も専攻に関するものだけになってきました。会計学だったり、マーケティングだったり、ヒューマンリソースマネジメントやビジネスインフォメーションのクラスだったりと、まさにビジネス尽くしの履修になっています。

3年生ぐらいになると、クラスの難易度も上がるとともに、授業中にみんなの前で30分ぐらいのプレゼンテーションをしなければならないとかもありますので。その中でサッカーと両立していくのは大変な日々ではありますけれど、毎日練習が終わって疲れていても勉強するという習慣がこの3年間の積み重ねの中で確立されてきたので、その結果として、継続的に良い成績が取れているのではと思います。でもなんとか乗り切っているというところですよ。

 

サッカー部のチームメートもみんな勉強はできる?

 

(Y) そうですね。どのスポーツでも言われていると思うのですが、アメリカの大学では文武両道できてこそ真のアスリートだと監督コーチからも日々言われます。成績が悪いと選手資格や奨学金が剥奪されてしますし、逆に学業成績の良いスポーツや、選手には、それなりの支援が学校側からもあるという事も関連しているのではないでしょうか。だからコーチたちも上級生に下級生がきちんと勉強しているかチェックするシステムを作らせたりだとか、サッカー部専属の家庭教師もいるので毎週何時間勉強するかといったプログラムも作りながら、みんな頑張っていますね。

 

夏休みはどう過ごしてたの?

日本に帰省していました。学生としての最後の夏休みだったので、今年は家族や友人との時間を大切にしつつ、普段あまり経験できないようなことをしたいと思いながら過ごしていました。夏休みの序盤は実は知人達を訪ねて、ヨーロッパに3週間滞在して、フランス、ドイツ、デンマーク、オランダ、スペインを旅行しました。これはアメリカの大学に行って海外出身のサッカー選手や多国籍な友達に出会えたからこそ実現したと思いますね。自分はアートや建築、ファッションや自然が好きなので、ヨーロッパの色々な土地に足を運んで、様々な観点から刺激を受けたり感動を味わったりする事ができたので、本当に素晴らしい経験になりました。